「午前10時の映画祭8」グループAの5本目。この映画の存在自体、今回初めて知りました。期待してませんでしたが、これが面白い。主演の長谷川一夫は、若い頃(27歳)の時に演じた同作を引退の年に再び演じたとか。55歳くらいなんで、さすがに年やな、と思わずを得ませんが、長年、映画俳優のトップを演じてきた貫禄が観る者を釘付けにします。全体的に歌舞伎や舞台を思わせるつくり。真っ暗闇での目線や、映像の美しさ。さらに、浪路を演じた若尾文子を始めとする女優陣の可憐さ、時代劇にジャズ調の音楽を取り入れるセンスなど、結構好きな要素がありました。二週間やってるので、観て損はないかなと思います。