「マグニフィセント・セブン」、「ガタカ」の俳優イーサン・ホークの初ドキュメンタリー。ピアノ教師シーモア・バーンスタインにスポットライトを当てた本作。僕はクラシックやピアノに詳しくはありませんが、シーモアさんの仕事や人生についての考え方は、大いにうなづかされました。中でも、宗教についての一節。神が外にいるのではなく、自己の内面にいるのだ、とおっしゃるところ。神が人間を作ったのではなく、人間が神を生み出した。僕も昔は、教会や日曜学校に通ったりして、キリスト教でいう神を信じていた時期もありました。いまはこれといって特定の宗教を信じてはいませんが、シーモアさんの台詞には最近考えていたことと大いに合致して腑に落ちました。また、イーサン・ホークが最初に会った時に深い安心感に包まれたというほど、魅力的な好人物。人生やキャリアについて相談したくなるのも頷けます。ラストのピアノも深く心に染み入るもので、映画の中に入り込んだように没頭してしまいました。時間も81分と短くオススメです。