映画「怪物はささやく」レビュー

母親を病に侵された少年に、決まって12:07分になると訪れる「怪物」。幻とも現実ともつかない「怪物」との葛藤を通して、現実と空想のはざまを表現。少年期特有の曖昧模糊とした微妙な心理を巧みに活写した物語です。主人公が、「いじめ、離婚、母親の終末期の病い」とまだ幼い少年が抱えるには重すぎる現実に押しつぶされそうになっています。僕もほぼ似た境遇だったので、少年期のことを思い出しながら観ていました。観ていて思い出したのが、フロイトの提唱した「イド、自我、超自我」。イドは、人の本能の部分。自我がそのイドをコントロールし、超自我がさらにその上に存在します。この映画で言うと、イドが少年で、自我が怪物でしょうか。超自我がそれらを昇華したものと解釈しました。怪物が語る3つの物語で、完全な悪人や善人がいるわけではなく、人には悪の側面と善の側面があることを諭し、少年がそれを理解していくところは共感できましたね。パンズラビリンスのスタッフが制作したそうですが、パンズ〜より、鑑賞後は重い感じにはならなかったですね。

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