映画「泥の河」レビュー

「午前10時の映画祭8」グループAの15本目。今の所、コンプリートです。映画サークルの仲間も推薦の作品ですが、なんだか重そうやなーと遠ざけていた映画。劇中、二回ほど涙がこぼれて、観て良かったと言える作品でした。舞台は、戦後の昭和31年、大阪・安治川口。主人公は、河口で食堂を営む両親を持つ信雄という9歳の男の子。対岸に繋がれていた船の上で暮らす少年(きっちゃん)たち家族との心の交流を描いた作品です。安治川口と言えば、今ではユニバーサルスタジオがある華やかなエリア。戦後と現在との差に愕然とします。自分は大阪出身ですので、架空の物語とはいえ、昔の大阪を垣間見れたのは嬉しかった。劇中の大阪弁も、ネイティヴの僕も満足いくものでした。きっちゃんたち家族は、母親、姉の3人暮らし。この家族は、ネタバレになるので避けますが、ある事情を抱えている社会の底辺の存在でした。主人公の信雄たち家族もまた、戦後10年で世間の景気が良くなっている中、一見幸せそうですが、貧しい部類に入るといえます。戦後間もなくで、すでに「格差」と呼ばれる状態が存在したのが驚きでした。僕もきっちゃんたち家族同様、母子家庭やったんで思わず感情移入してしまいましたね。子役たちの演技も見事。きっちゃんのお姉さん役の子が特に聡明で、主人公はきっと惚れてしまったやろなぁ、と。しばらく頭から離れない良作でした。

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