
特養の介護職はストレスでいっぱい!!
私は、特養で働き始めて6年になる中堅職員です。この施設で特養は3つ目になるのですが、認知症ケアにあたった経験のある職員の方ならよくご存知と思いますが、人間の生の感情に直接向き合うことになる介護職員は、本当に神経をすり減らす毎日です。職員との人間関係は勿論、認知症のある利用者さんのケアで、怒りを感じる場面は正直多々あります。私自身もそういう怒りとどのように付き合ったり、対処していけばよいのか、悩んでいました。そんな時に書店で出会ったのが本書です。
アンガーマネジメントは怒りを抑える技術ではない
昨今、話題になっているアンガーマネジメント。私自身もこの本を読むまでは、次の様に誤解していました。アンガーマネジメントって、なにか怒りを感じないようにするとか、怒りを無理やり抑え込む技術なんじゃないかって。実はそうではなくて、怒りとうまく付き合っていく方法だったのです。この本に書いてある一例を挙げます。怒るべき場面では怒らないといけないし、怒って後悔したり、人間関係が悪化するような場面では怒ってはいけない、と言うこと。また、怒りを感じてしまった場面で感情的になって取り返しのつかない事態にならないために、いくつかの細かいテクニックも紹介されています。例えば、「6秒ルール」。人間は6秒あると理性的になれると言われているそうです。6秒数えるのが最もシンプルな手法ですが、完全に6秒間思考をストップするのも手だと思います。その他にも、昔からよく言われている「怒りを感じていてもあえて笑顔を作る」などいくつもの有用なテクニックが紹介されています。
職員の人間関係についても!
介護職員の離職理由の第一位は「人間関係」。私自身もそれが原因で転職をしていますが、その人間関係についてのアンガーマネジメントも豊富に記載されており、とてもためになります。その他、介護現場のケアのあり方についても、ある程度突っ込んだ工夫や考え方が書かれており、そちらの部分も勉強になります。
介護現場のこれからに本書で得た知識を活かす
「6秒ルール」、「あえて笑顔を作る」など本書で得た細かいテクニックを日々の現場で活かしつつ、折に触れて読み返しながら、これからの仕事に役立てていきたいと思います。このアンガーマネジメントの考え方がもっと介護現場に普及していけば、不幸な虐待などがもっと減っていくのではないか、と思います。