
フジテレビの土曜プレミアム枠で、7月に3部作が一挙放送された「バック・トゥ・ザ・フューチャー」トリロジー(3部作)。
私にとって、宝物のような本作。数えたことはないけど、何度も何度も繰り返し見ています。
当然、次の展開も知っているはずなのに、相変わらずワクワクさせてくれるのはなぜなんでしょう?
そんな「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の魅力をあらためて紹介してみようと思います。
映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」レビュー
バック・トゥ・ザ・フューチャー
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」1作目の公開は、1985年。
私が10歳の頃です。父の自殺から2年後。施設での1年間の生活を経て、弟共に母親との暮らしを再開して1年経った頃でしょうか。
ちなみに、私が生まれて初めて見た洋画は、1984年12月のクリスマスシーズンに公開された「グレムリン」。人生初めて見た洋画が、ホラータッチの映画とはなかなか面白いです。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は、劇場で見たわけではなく、テレビ放映で見たように記憶しています。
初めて見た時の興奮は、今でも忘れられません。
それから、何度も何度も繰り返し見ました。
20歳くらいになって、友人にVHS(ビデオテープ)の3部作を借りて、それも繰り返し見ました。
40歳くらいになって、ブルーレイの3部作を自分で買って、それも見ました。
何回も見て、ほとんど全てのシーンを記憶しています。
それでも、初見の頃のように、ワクワクドキドキ。次はどうなるんやろう(笑)。そういう感情が込み上げてくるのはなぜなんでしょう。
ジャンルは、「タイムトラベルSF」といったものでしょうか。今でこそ、このジャンルの映画は数限りなくあります。映画だけでなく、漫画など他のエンターテインメントにも影響を与えています。例えば、「ジョジョの奇妙な冒険」に出てくるディオや吉良吉影などのラスボスたちは、「時間」を操る能力を持っています。
この映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は、1985年の主人公が、1955年にタイムスリップして、両親の恋愛成就のために四苦八苦する話です。
2022年の今では、1985年ですらノスタルジックな風景が広がっています。主演のマイケル・J・フォックスの服装の80年代ファッションは、今見るとかえって新鮮な感じがしますね。
お話もいいのですが、キャストが良かったから成功したのではないか、と思います。
主演のマイケル・J・フォックスの可愛らしく、明るい性格。ドクを演じたクリストファー・ロイドのやり過ぎなくらいの怪演も面白い。大人になってみると、父親役のクリスピン・グローヴァーの繊細な演技に舌を巻くし、悪役のビフ・タネンを演じたトーマス・F・ウィルソンの演技も魅力的に感じます。
また、この1作目は、続編がなくても1本で成立しているのが良いところですね。
バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2
2作目は、2015年(近未来)を舞台にしたSF作品。3部作全てで、映画のジャンルさえ変えて観客を飽きさせない演出は見事です。
その2015年ですら、もう過去ですが。
2015年、1985年、1955年と3つの時代を目まぐるしく行き来します。
この2で特筆すべきは、悪役ビフ・タネンを演じたトーマス・F・ウィルソンの演技力ではないでしょうか。
老年のビフ、実業家として成功した中年のビフ、青年時代のビフを演じ分けたトーマス・F・ウィルソン。
子供の頃に見た時は、憎たらしい印象しかなかったけど(笑)、大人になって色々映画を見るようになってからだと、その演技力の素晴らしさに気付かされます。
空飛ぶ車にホバーボードや、一瞬で着脱できる服など、いまだに(2022年)実現されていない未来のガジェットも、今見るとレトロフューチャーといった感じで面白いです。
バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3
2作目と打って変わって、西部劇にジャンル変更したPART3。
公開当時、15歳だった私にとって「西部劇」とは退屈な年寄りのジャンルに過ぎませんでした。
大人になって、西部劇も見るようになると、その面白さを理解できるようになったのですが。
このPART3は、西部劇をコミカルにアレンジしていて、西部劇に抵抗感のある方も楽しんでみられるように作られています。
また、マーティの親友・ドクが報われる話なんで、私的にも好きなエピソードですね。
あとがき
私にとって、映画の宝箱のような「バック・トゥ・ザ・フューチャー」トリロジー(3部作)。なんで、この映画が好きなのか考えて見たのですが、自分の人生と重ね合わせているからかもしれません。今でも、父が死んだ日にタイムスリップして、自殺を止めたい、と思わない日はありません。
でも、現実にはタイムマシンなどと言うものは存在しません。映画のように、過ぎた過去は変えることはできません。しかし、未来なら変えることはできる。そんなポジティブなメッセージを受け取ることができる。
それこそが、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」トリロジーの魅力なのではないでしょうか。