こんにちわ!ゴーペガ@goldpegasus2010です。
私は、特養で働いている40代の介護職員です。
2015年3月から数えて、今年で7年目に突入しました。
介護職には、「腰痛」がつきものということは、
始める前からなんとなく想像はついていました。
最初の1年目なんかは、結構腰痛があったような気がしますが、
最近はそんなに気にしないでも良い状態になっています。
今勤めている私の施設では、昨年度(2021年)腰痛や
ヘルニアによる長期休業者が3人も出てしまいました!
ヘルニアは、そう簡単に治るものではなく、
一生のつきあいになると言います。
20代の時、私の友人もヘルニアになって相当苦しんでいましたが、
40代の今も「治ったよ」という報告は聞いていないので、
完治するような病気ではないのかもしれません。
介護職がヘルニアになると、1〜3ヶ月レベルの長期休業を
余儀なくされたり、重度になると歩くのも
ままならないほどになることも。
あなたは「腰痛」がありますか?
「まだ軽いから」と放置すると
大変なことになるかもしれませんよ。
少しでも仕事を長く続けられる介護職員が一人でも
増えるようにとの思いで、私自身が日頃から
行っていたり、同僚の職員や職場全体で取り組んでいる
「腰痛対策」4選をご紹介したい、と思います。
基本的な介護の仕方を見直す
まずは、「基本的な介護の仕方を見直す」。
これを読んでいる介護職員の方。
経験年数はどれくらいでしょうか?
1〜2年の経験の職員の方でしたら、
まだまだ基本的な介護が身についていないのかもしれません。
3年を超えていて、介護福祉士の資格を持っている方でも、
我流でおかしな介護をしている方もちらほら見受けられます。
ボディメカニクスを意識する
ボディメカニクスとは、
「最小限の力で介護を行う介護技術」のことです。
介護業界に入られた方は、ヘルパー2級や初任者研修で
勉強をされたことと思います。
日々の仕事に追われて、きちんと
できていないこともあるでしょう。
ここでは、ボディメカニクスの詳しい説明は省きますが、
日常的な介護において、次の3つだけでも
意識して行ってみてください。
- 両足を広げて、支持基底面積を広く取る
- 移乗の際は、利用者様と体を密着させる
- 中腰の介護をやめて、しっかりと重心を低く下げる
ベッドの高さを上げる
これは、オムツ交換の際に、ベッドの高さを上げるということです。
私は、身長が178センチと施設の中では高い方なので、
ベッドの高さが低いままでオムツ交換を行うと
腰が痛くてたまりません。
なので、入職当時からできるだけベッドの高さを上げて
オムツ交換を行なっていました。
あと、可能であれば、ベッド柵も外して行なった方が良いでしょう。
利用者様の体を奥に向ける際に、お腹にベッド柵が
食い込んで痛いですし、可動域も狭くなりますので。
ヘルニアになった職員が日常的に行っていたことなのですが、
ベッドが一番低い位置のまま、オムツ交換を行なっていました。
おそらく、スピード重視の特養の仕事の流れでそうしていたのでしょう。
そういう介護をしていたら、ヘルニアになるのは
誰の目にも明らかです。
また、利用者様をベッドから車椅子に移乗する際も、
ベッドをギャッヂアップして、上半身を起こしていただき、
腕の力で寝た状態から起こさないようにしましょう。
これも、ぎっくり腰になった職員の事例から学んだことです。
以下は、介護技術を写真を交えて解説してくれている書籍です。
ぜひ読んでみてください。
体のメンテナンス
基本的な介護技術を見直した上で大事なのが、
体のメンテナンスです。
40代になると、体力の低下やら
健康診断でなんらかの異常を指摘される方も
多いのではないでしょうか。
介護職にとって、体は資本。
とにかく体力勝負なので、
腰痛以外でも体のメンテナンスはとても大事です。
筋トレ
一番のおすすめは、なんといっても「筋トレ」。
ジムに3年ほど通っていましたが、
行くのが面倒になったのと、コロナ禍で
感染が気になるため、自宅トレに切り替えています。
週3回、可変式ダンベルとトレーニングベンチで
鍛えています。
筋力がつくと、普段の介護が楽になります。
以下の可変式ダンベルとベンチがおすすめ。
特に、可変式ダンベルは自宅トレで必須といえます。
私の買ったものは、2〜32kgの重さを
数十秒で変えられるという優れもの。
「2kg刻み」と「4kg刻み」で変えられる
2種類があるのですが、「2kg刻み」の方がベターでしょう。
軽いダンベルで行う肩トレにおいては、2kg刻みで
変えられるダンベルが重宝します。
睡眠
次に大事なのが、「睡眠」。
特養の職員だと月5回程度の「夜勤」が必須になってくるかと思います。
夜勤入り明けに十分な睡眠を取るのはもちろんですが、
日勤の際の睡眠も非常に大事。
できれば、23時までには就寝して、7時間睡眠は確保したいところ。
人にもよると思いますが、私はそれくらい寝ないと無理ですね。
食事
食事も大事です。
「当たり前のこと言うなよ」と言われるかも
しれませんが、それでも大事。
ヘルニアで長期欠席していた職員2人が少食で
あることも、悪い見本であると言えるかもしれません。
ある職員は、昼食にオイコス1個しか食べないそうですが、
極端なダイエットは「筋肉が減る」ことによって、
かえって脂肪がつく結果になるので、腰痛対策以外でも
体には悪いです。
ストレッチ
順番は4つ目になってしまいましたが、ストレッチもかなり大事です。
下記の本の「腰のストレッチ」と「広背筋や僧帽筋のストレッチ」は、
日本の施設の全介護職員の必須科目にしてもいいくらい気持ちよく伸びます。
整形外科
私は幸いにもお世話になってませんが、すでに
痛みがあるのならば、必ず整形外科を受診してください。
悪化してからいっても手遅れになるかもしれませんので。
銭湯&サウナ
6つ目のご紹介になってしまいましたが、
個人的におすすめしたいのが銭湯&サウナ。
私は、大阪時代から週1回はどこかのスーパー銭湯に
通っているほどのスーパー銭湯フリーク。
特に昨今はサウナブーム。
介護職にとって、コロナ感染は気になるところですが、
そこは平日休みの強みを生かして、平日午前中の
ほとんど人がいない時間帯を利用するなど
賢く立ち回りたいところ。
銭湯&サウナの効果は、リラックス、
ストレス解消、自律神経を整える、
など介護職にとっていいことばかり。
近所のお気に入りスーパー銭湯や温泉を見つけて、
ぜひ利用してみてください。
整体
これも肩こりや腰痛がひどいのであれば、行ってもいいかもしれません。
ただ、他の病態の可能性もあるので、
個人的には整形外科の受診をお勧めします。
介護職なりたての1〜3年目くらいは、大阪駅前ビルの
接骨院に足繁く通っていました。
途中から、筋トレの効果が出て、
あまり腰痛が出なくなったので、
通うのをストップできたのはよかったですね。
ランニング
これも腰痛改善に少しは効果があるかもしれません。
私は、以前はフルマラソンを4〜5回完走するなど、
ランニングにハマっている時期がありました。
でも、同じ時間を投下するのであれば、
「筋トレ」を強くおすすめしたい。
ランニングで鍛えられる部位は、
足腰だけになってくるので、
介護に必要な上半身は疎かになってしまいます。
ノーリフトケア
ノーリフトケアとは、「持ち上げない介護」のこと。
介護職の腰痛予防に役立つ介護技術です。
主に福祉用具や「基本的な介護の仕方を見直す」でご紹介した
電動ベッドの機能を使います。
スライディングボード
ベッドから、跳ね上げ式の車椅子および
リクライニング式車椅子への移乗に使用します。
水平移動をするので、まさに「持ち上げない介護」。
大体、どの特養にも導入されているのですが、
腰痛のある職員に限って使ってない。
いやいや、それがアカンのですけどね。
面倒くさいのか知らないですけど、
それが自分の体を痛めて、利用者様の拘縮を悪化させたり、
最悪、欠勤や退職に追い込まれる原因になるんです。
他にも、スライディングシートやスライディンググローブ
と言うものもあります。
スカイリフト
私も今の施設に入って初めて使うようになった機械。
「特養あるある」なんですけど、2人介助で
半ば無理やり、トイレ介助している利用者様がおられますよね。
片方の職員が利用者様を抱えて、もう一人がズボンと
リハビリパンツを下げる、って介助です。
この機械を使えば、1人でそういった利用者様の
トイレ介助を行うことができます。
いやー、初めてこの機械を見た時は感動しましたよ!
田舎の施設なのにすげーな、と。
田舎の方が、都会(大阪)の施設より、こういった技術の
導入が進んでいるのかもしれません。
つるべー
これも今の施設で初対面。
特養には、なんらかの理由で「ベッド対応」→「床対応(ふとん)」に
切り替わっている利用者様がいらっしゃいます。
まぁ、そのなんらかの理由って
「ベッド下に何度も転落するから」なんですけど。
大阪の施設では、人力で抱え上げて車椅子に移乗していました。
思いっきり「ノーリフトケア」ちゃうやん!という。
この機械を使うと、手間と少々の時間(慣れれば数分で可能)で
そういう利用者様を1人で起こすことができます!
これも感動しましたね〜。
導入すれば、めちゃくちゃ楽になります。
業務改善
4つ目は「業務改善」です。
オムツ交換のやり方を見直したり、
タイムスケジュールを見直したり。
業務の進め方を見直すことで、
職員の負担軽減、腰痛予防につながることがあります。
というか、実際にできたのでご紹介します。
オムツ交換の見直し
オムツ交換を2人で行う
腰痛やヘルニアで長期欠勤者が多発した今の施設。
介護リーダーからの指示で行うようになったのが、
2名でオムツ交換を行うこと。
これでかなり楽になりました。
片方が利用者様を横に向けて、その間にもう1人が
オムツ交換を行う感じですね。
オムツ交換を得意とする職員や役職者・リーダーが
その場で指導を行えるので、
全体的な介護技術のレベルアップにもつながります。
オムツの当て方がまずくて尿漏れしているという
事例が格段に減りました。
もちろん、職員2人がオムツ交換で抜けるので、
ホールやリビングの見守り人員が減る、というデメリットが
あるので、検討は必要でしょう。
ですが、それを差し引いても職員の負担軽減と
オムツの漏れが減るというメリットは大きいです。
オムツ交換回数を減らす
これも介護リーダーの指示のもとに行った改善です。
一言で言うと、尿の吸収量が多いパットに切り替えることによって、
オムツ交換に回る回数を減らす、ということ。
だいたい、1日4回→3回に削減出来ました。
私は、オムツ・排泄担当だったので、中心になって
業務改善したのですが、職員の間でも
好評なのでやって良かった取り組みの一つです。
ただ、皮膚に優しい高品質なパットが求められるので、
上層部の決裁が必要な事案ではあります。
タイムスケジュールの見直し
1日24時間をざっと概観した時に、えらく業務が集中
している時間帯があるかと思います。
やむを得ない場合を除いて、それらを分散したり、
そもそもその業務が必要なのか?を考え直すことによって
無駄な業務を減らしたり出来ます。
時間割の見直しによって、職員の腰痛対策もできるということです。
まとめ
介護職の腰痛対策を4つご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
基本的な介護の見直しを始め、筋トレ、ストレッチなどの
体のメンテナンス、ノーリフトケアに業務改善。
ひとりですぐに始められることもあれば、施設全体で
取り組まなければならない事案もありますね。
まずは、自分が行っている介護の見直しや筋トレなど
ひとりで出来ることからでも始めてはいかがでしょうか。
最後に「おすすめしないこと」と「最後の手段」をご紹介します。
おすすめしないこと
私がおすすめしないことは、
「腰痛ベルト」に安易に頼ることです。
いや、整形外科を受診して適切な「腰痛ベルト」を
医師が作ってくれたならいいんですよ。
でも、たいていの腰痛持ち職員は
市販の腰痛ベルトをはめて安心している。
個人的には、筋トレのスクワットやデッドリフトで
足腰の筋力をつけた方が良い、と思っています。
安易に腰痛ベルトに頼ることによって、
腰の筋力が落ちるらしいです。
最後の手段
これは最後の手段ですが、あまりにも現在の
施設の業務がハードなら転職を検討するのも手。
異業種に転職するのは、私は考えていないので
分かりませんが、他にも良い施設はあるかと思います。
日本から少しでも腰痛に苦しむ介護職員が減るように。
私の記事が役立てば幸いです。
またお会いしましょう!