映画「ジョーカー」鑑賞。1人の若者が狂気に至る過程を描いた衝撃作!

ジョーカー

賛否両論、物議を醸し出している映画「ジョーカー」。「ダークナイト」が大好きな私ですが、さすがにヒース・レジャーの演技は越えられないんじゃないか、と思って今まで観に行っていなかったのですが、さて、映画の出来はいかに?

歴代のジョーカーを超えた「ジョーカー」

ジョーカー

本作は、アメリカのコミック「DCコミックス」の作品の一つ「バットマン」に登場するスーパーヴィラン(超強力な悪役のこと)である「ジョーカー」がなぜ誕生したのか?に焦点をあてた物語です。「バットマン・ビギンズ」という映画がありますが、いわば「ジョーカー・ビギンズ」。ちゃんと、後にバットマンになるブルース・ウェインも登場し、バットマンの前日譚であることが示唆されています。

バットマンの宿敵であるジョーカーですが、過去に何度も映画化されたキャラクターです。手垢がついている、と表現してもいいかもしれません。冒頭にあげた「ダークナイト」において、ヒース・レジャーが演じたジョーカーの存在感は凄まじい。「ダークナイト」撮影後にヒース・レジャーは急死するのですが、そういったことも相まって半ば伝説化されたような演技です。それほどに素晴らしかった。

歴代のジョーカー

ちなみに歴代のジョーカーを挙げてみます。

  • ジャック・ニコルソン(バットマン)
  • ヒース・レジャー(ダークナイト)
  • ジャレッド・レト(スーサイド・スクワッド)

番外編として、日本のアニメ「ニンジャ・バットマン」に出てくるジョーカーもなかなか良かったです。さて、そんなジョーカーをまた映画化するのか?ヒース・レジャーを超えられるのか?などと思ってしまう自分がいました。

しかし、そんな心配は杞憂に終わりました。

1人のどこにでもいそうな心優しい若者が、狂気に至る過程を徹底的なリアリズムで描き、主演のホアキン・フェニックスの演技が本当に素晴らしかった。

これ、ヒース・レジャーを超えたんでは?いや、「匹敵する」という表現に留めておきましょうか。

正気と狂気の境い目とは?

後にジョーカーとなる普通の青年アーサーは、認知症気味の母親の介護をしながら、ピエロの仕事をしています。どこにでもいそうな普通の心優しい青年です。ただ、普通の若者とは少し違うところがありました。感情の高ぶりによって、意味もなく「笑い出す」ことでした。

これは一種の障害なのですが、やはり世間の目は冷たい。そういう障害もあるのか、と優しく受け止めてくれるような人は皆無で、怪訝な表情をされたり、ひどい時は暴行を受けたりします。

そんなアーサーを次々と不運が襲います。まず、前述の度重なる暴行。次に、福祉サービスによって、カウンセリングを受け、薬を服薬していたのですが、新市長のトーマス・ウェインの政策によってカットされてしまいます。さらに、防犯のためと、同僚に渡された拳銃を児童の医療施設に持ち込んだことがきっかけで仕事を解雇。

そういう様々な不運が重なり(自業自得もありますが…)、彼の精神は狂気の淵へと追いやられていきます。

この辺りの人が狂気に至る過程は、ロバート・デ・ニーロ主演の「タクシー・ドライバー」、スタンリー・キューブリック監督の「時計じかけのオレンジ」を彷彿とさせます。

そういえば、ロバート・デ・ニーロは本作のコメディショーの司会として登場しています。「タクシー・ドライバー」の若い時の演技を思い出すと、アーサーに諭す場面は強烈な皮肉を感じずにはいられません。

人は簡単に正気から狂気へと落ちるのかもしれない。正気と狂気の境い目(ボーダー)とは何なのか?つい最近、「ボーダー 二つの世界」という映画を見たのですが、近似のテーマを扱っていて、驚きを禁じ得ません。

映画「ボーダー 二つの世界」鑑賞。当たり前や常識、価値観を疑ってみたいあなたにオススメ!│ゴーペガ(gold-pegasus.com)

「ダークナイト」のジョーカーは、ハービー・デントという地方検事を計略によって、狂気の淵へと陥れます。この部分を見ても、善人がある日、悪人に転じてしまうこともあり得るのでは?と寒々しい思いがします。

映画で描かれるピエロたち

アメリカでは、「ピエロ恐怖症」というものがあるそうで、ある意味、ピエロは恐怖の対象です。そんなピエロは、ホラー映画や本作の悪役のようにある種のアイコンとして描かれてきました。


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スティーヴン・キングの「IT」は続編が上映中です。この映画のペニー・ワイズというキャラクターもピエロの恐怖を具現化したもの。悪魔的な怖さです。


クラウン(字幕版)

私は見ていませんが、「クラウン」という映画もピエロをモチーフにしたホラー映画。YouTubeの予告編から実際に製作されたという逸話を見るだけで面白そうです。

あとがき

安易に「面白い」と表現するのが難しい映画「ジョーカー」。賛否両論あると思いますが、狂気に至らずにすむにはどうすれば良いのか?考えながら見ることによって、反面教師として勉強になる映画だと思います。

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