先日行われた「第71回カンヌ国際映画祭」でパルム・ドールを受賞した本作「万引き家族」。6月8日公開なのですが、TOHOシネマズなんばにて、6月2日、3日に先行上映があったので、さっそく見てきました。
前作「三度目の殺人」の低評価を挽回。一筋縄ではいかない風変わりな「家族」のドラマ
前作「三度目の殺人」では、投げっぱなしのエンディングで賛否両論を巻き起こした是枝裕和監督。私の所属サークルでも「否」の意見の方が多かったのですが、(自分は嫌いではなかったです。)本作では面目躍如。「そして父になる」、「海街diary」で見せたような一風変わった「家族」のドラマが描かれています。「そして父になる」は劇場で観たのですが、何か所か泣きました。今回も、2度3度と堪えきれず、あふれる涙が。ここまでの最底辺の家族がこの日本社会にあるのか、と思いますが、日々テレビのニュースで報道される事件の裏側では知られざる事実があるのでしょうね。キャスト陣の演技がとにかく素晴らしい。リリー・フランキーの飄々とした佇まいのお父さん、樹木希林のおばあちゃんは鉄板ですし、安藤サクラ、松岡茉優はさすがの安定感。中でも子役の男の子を演じた城桧吏は、同監督作「誰も知らない」で12歳の長男役を演じた柳楽優弥を否が応でも思い起こさせます。また、家族が「拾って」育てている女の子役の佐々木みゆの演技も子役レベルをはるかに超えていて、素晴らしかったです。後半での数々の謎が明かされていく展開もよく、万人にオススメの作品ではないですが、映画通ならぜひ見てほしい一本です。